網様体賦活系(RAS)とは?無意識が学習効率を左右する脳の仕組み

網様体賦活系(RAS)とは?無意識が学習効率を左右する脳の仕組み

脳幹にある網様体賦活系(RAS)は、私たちの注意・認識・学習効率に大きく関わっています。RASの仕組みと勉強への活かし方を分かりやすく解説します。

脳の深い位置にある脳幹機能「網様体賦活系(RAS)」とは?

私たちは「自分の意志で考えている」と思っていますが、
実はその前段階で、無意識が情報を選別しています。

その中枢となるのが、
脳幹に存在する網様体賦活系(RAS)です。

網様体賦活系(RAS)とは?

網様体賦活系とは、
脳幹にある「網様体」から脳全体へ影響を及ぼす仕組みを指します。

主な役割としては、

  • 覚醒状態と睡眠状態の制御
  • 注意力・集中力の調整

が知られていますが、
それだけにとどまりません。

高度な思考を担う前頭前野にも影響を与えるため、
理性的な判断や思考そのものが、
無意識レベルで制御されていることになります。

無意識は意識よりも強い影響力を持つ

網様体賦活系は、

  • 内臓の働き
  • 免疫系
  • 感情や記憶

だけでなく、
「理性的に考えている」と思っている行動にも関与します。

記憶を司る海馬や、
情報処理に関わる側頭葉などにも影響を及ぼすため、
学習全体に深く関わる仕組みと言えます。

興味のあること・知っていることしか認識できない

網様体賦活系の説明で、
よく使われる分かりやすい例があります。

例① 妊娠のケース
身近な人が妊娠すると、
今まで気づかなかった妊婦さんが街中で目につくようになる
例② 車を買った後
自分と同じ車種が、
急に多く走っているように感じる

これらは、

「見えていなかった」のではなく、
「認識していなかった」
だけなのです。

視界には入っていても、
無意識が重要でないと判断した情報は、
ほとんど処理されません。

なぜ認識は制限されるのか

原始時代、人間は一瞬の判断ミスが命取りでした。

そのため、

  • 自分と似ているもの
  • 危険だと記憶しているもの

を瞬時に見分ける必要がありました。

安全か危険かを即断するため、
認識の焦点を絞る機能として、
網様体賦活系は非常に有効だったのです。

網様体賦活系と勉強の関係

新しい分野を勉強する場合

新分野では、
過去の経験や知識を土台に理解しようとします。

そのため知識が少ない初期段階では、

  • 理解できない
  • 頭に入らない

と感じやすくなります。

これは能力の問題ではなく、
認識のフィルターがまだ育っていないだけです。

だからこそ、

復習・反復・積み重ね
簡単な内容から少しずつ難易度を上げる

という学習の基本セオリーが重要になります。

すでに詳しい分野を勉強する場合

知識がある分野では理解は早い反面、
解釈が自分流に固定されやすいという問題が起こります。

資格試験のように模範解答がある場合は問題ありませんが、
ビジネススキルや発想力を高める学習では不利になります。

これは専門家が陥りやすい典型的な罠です。

網様体賦活系を活用するテクニック

① 目標・目的を明確にする

興味のある目標を設定すると、
達成に必要な情報が自然と目に入るようになります。

勉強前に、

  • 何のために学ぶのか
  • 何を得たいのか

をノートに書き出してから始めましょう。

② 心構えを固定する

「知っていると思った瞬間、成長は止まる」

この言葉を、
声に出したり紙に書いたりして、
日常的に意識してください。

「もう知っている」と無意識が判断すると、
重要度が下がり、興味が薄れます。

結果として、
重要な情報をスルーしてしまいます。

③ メリットを感情レベルまで強化する

学んだ先にどんなメリットがあるかを、
紙に書き出してください。

このとき、

  • 大げさなくらい
  • 感情が動くレベルで

考えるのがポイントです。

そうすることで、
味気ない理論や難解な用語も、
興味を持って学べるようになります。

まとめ|RASは間接的に使いこなす

網様体賦活系は、
意識で直接コントロールすることはできません。

しかし、

  • 目標設定
  • 心構え
  • 感情の動かし方

を工夫すれば、
間接的に最大限活用できます。

自分なりの使い方を試しながら、
学習効率を高めていきましょう。